これまでシャネルのマトラッセの修理のご依頼は多く
いただきましたが傷みが大きい方になります。
経年後の長期の未使用で革も乾燥して硬くなりカサついていました。
修理はまずクリーニングをして革がどのような状態かを
見ていきます。
劣化が大きいと水分を使用することによって革を傷めてしまう場合があり
慎重に行います。
幸い進める方法に工夫が必要ですが修理できる状態でした。
工程はまず角や折れ曲がりのささくれを部分的に補修して
荒れた面のざらつきをならし周りになじむようにします。
その後革の補修剤で下地を補修して潤いを出していきます。
革が荒れた箇所が多いので繰り返して行い全体にムラ感が出ないようにします。
内側のボルドーの革の部分はカビが生えていたのでクリーニングして
殺菌した後同じように革の下地を補修しました。
外側内側は黒で染め直しの塗装を行い黒い色を均一にしていきます。
その後トップコートのクリアー塗装を行い色止めとツヤの調整となります。
内側のボルドーの赤い部分は染め直しをせずオリジナルの色合いを
保つ仕上げにしました。
ささくれて表皮がない箇所は表皮の再生はできないので
跡は残りますがおおむね目立たなくでき黒い色もはっきりして
ツヤ感は自然になりました。
お見せするのも恥ずかしいくらいの状態と依頼にお越しいただきましたが
仕上がりをご覧になりまた使えるようになったとご満足をいただくことが
できました。
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