こんにちは
革研究所 世田谷店です。
バレンシアガ シティ バッグのご紹介です。
大きなサイズのバッグで物がたくさん入るので
よく使っていたそうですが経年もあり擦れて
色あせしくたびれた感じになってきたので
修理をしてほしいとのご依頼をいただきました。
当方の同じシリーズのバッグの事例ブログをご覧になって
修理してほしいとお持ちいただきました。
よくご依頼をいただくサイズより一回り大きいもので
物がたくさん入るのでジム通いや買い物など普段使いされて
いたそうで色あせに加え各所に傷みがありました。
革が表面加工された柔らかいラムレザー製ですので
経年で柔らかくなるとひび割れていきます。
このタイプのデザイン・革のタイプは
・持ち手の巻き込まれた紐が糸で編んだ丸紐になるので
耐久性に欠け長く使っていると擦り切れてしまう
・四隅が擦れてはげる・進行すると穴が開く
が多いようです。
持ち手の丸紐ですが当方でよく行うのはフリンジの革紐を代用して
巻き直す方法です。
同じ革なので雰囲気も合い革なので強度もあり見映えもよくなります。
今回お客様がセットになっているコンパクトミラーの革紐をお持ちでした。
そのため方法として
①コンパクトミラーの革をファスナーの引き手の革として移植
②現行ファスナーに付いている革紐が厚みがありそちらを持ち手に巻き込み
としています。
コンパクトミラーに付いていた革は薄いのでファスナーの引き手としては
そのままでは弱くお客様にご説明して改善できるよう
半分に切って貼り合わせて接着し強度を上げて付け直しました。
ですので長さは元の半分の長さでの仕上がりとなります。
Before
After
四隅は四箇所中二箇所に穴が開いていたので
接着した後樹脂で埋めて形を整えました。
樹脂は一回では厚みが出ず乾燥までに時間がかかります。
何回も塗布・乾燥を繰り返し最後に研磨して周りに
なじむようにして仕上げていきます。
革の欠損が大きい同じタイプの事例
範囲が広く段差もある場合目立たなくはなりますが
多少跡は残ります。
Before
After
持ち手の紐交換・四隅の穴開き補修が終わると
全体の染め直しとなります。
工程として
①クリーニング・脱脂処理をして汚れを落とす
②色あせ・色ムラが多かったので仕上がりをよくするため
染料で下染め
③補修溶剤を浸透させ革の下地を整える
④塗料を塗布して色を均一にする
⑤色止め・ツヤの調整のクリアー塗装(トップコート施工)
*防汚効果もあります。
となります。
デザインが複雑で傷みも多かったので時間がかかりましたが
黒い色もはっきりして自然なツヤ感で使用感は大分薄れました。
気分も新たにお使いいただけるようになったと思います。
ご依頼をいただきありがとうございました。
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